弊会の増田敬会長(仮設万石浦団地自治会長)と大嶋三千代理事(仮設南境第5団地自治会長)が3月11日発行のジャパンタイムズ紙にピックアップされました。
記者の尾崎氏より日本語の訳文を提供していただきましたので、掲載させていただきます。
大嶋三千代さん74
前進あるのみ、残りの人生を楽しく生きていきたい、と大嶋三千代さんは語る。
大嶋さんは約40年連れ添った夫のサダオさんを津波で亡くした。初めの一年は悲しみに暮れ、茫然とした日々を暮らすこともあったという大嶋さん。亡き夫に思いを馳せることもしばしばあった。
しかし、4年たった今、大嶋さんは前向きだ。南境にある仮設住宅の自治会長としての任務にひたむきに向き合う毎日を送る。外部からやって来るボランティアとの連携や、日々の見守り運動などが主な仕事内容だ。
自治会長としての役割を担うことで生活も忙しくなった。交友関係も広がった。人生に希望が持てるようになった。
「(夫のことを)全く思い出さないわけではない」と大嶋さん。しかし、「震災があったためにいろんな人と出会うことができた。生かされたものとして、これから元気に楽しく生きていかなければならない。」
4年経った今、仮設住宅はある種の岐路に立っているように見える。大嶋さんを含め住民の中には復興住宅への移動が決まっている人も何人かいる。
仮設住宅の施設の老朽化が進む一方で、中にはこの4年間で養ってきたコミュニティを去るのが億劫に感じる風潮が、一部の仮設住民で見られるのも事実だ。
「復興住宅に移ると人との交流がなくなって孤独化しやすいのでは」と感じる住民もいると大嶋さん。
しかし、それでも前進あるのみだと大嶋さんは言う。
「震災の記憶を風化させないように、と言う人もいるが、個人的にはあの日のことは思い出したくない。早く忘れて前に進みたいんです。」
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